自立促す介護 広まるか

「報酬で評価」に賛否 むやみに手助けするのでなく、適切な食事やリハビリを取り入れ、一人で出来ない部分をサポートする「自立支援型」の介護をどう普及させるか。介護報酬の2018年度改定に向けて、こんな議論が先月から本格的に始まった。報酬を手厚くするよう求める声がある一方、評価の難しさから慎重論も多く、賛否が分かれている。 現場のジレンマ 「訓練をして要介護度が改善しても、事業者にとっては減収になる。こうしたジレンマを緩和すべきだ」介護報酬について議論する社会保障審議会分科会で先月23日、制度の矛盾を指摘する声が相次いだ。 現在の制度では、入所施設などで事業者が努力して利用者の要介護度を軽くできても、介護にかかる手間が減るとして、受け取れる報酬は少なくなる。例えば、介護付き有料老人ホームの入居者の要介護度が5から4に下がると、1人につき月2万円ほどの減額だ。現場からは、「『歩きたい』という本人の望みをかなえようと努力すると、先輩に怒られる」といった声が上がっているという。 こうした事情を踏まえ、政府は、今年6月に策定した成長戦略に効果のある自立支援を行う事業者を報酬で評価することを明記。18年4月の改定に向け、分科会で具体策を検討することとした。高齢化で増え続ける介護費用を抑えられるのでは、との思惑もある。 利用者選別の恐れ ただ、要介護度の改善ばかり重視されることに、慎重な意見も多い。 分科会では、「改善が見込まれる高齢者を事業者が選別する恐れがある」といった意見が出た。認知症の90歳代の人は、骨折で入院した60歳代の人より身体機能が回復して要介護度が改善する可能性が低い、などと判

ソフトバンクとAIで提携、Skymindが描く「介護ロボット」の未来

機械学習分野で最も認知度の高いアプローチであるディープラーニングは、様々な分野で活用が進んでいる。しかし、その大部分はクラウドで処理されるものだ。 ドイツの首相 アンゲラ・メルケルとペッパー(Photo by Adam Berry / shutterstock.com) そんな中、サンフランシスコ本拠の人工知能(AI)のスタートアップ「Skymind」は、ディープラーニングを直接ロボットに組み込もうとしている。Skymindは「SKIL Somatic」と呼ばれる新ツールを開発し、ロボットのディープラーニングの学習能力を向上させようとしている。ここで採用される仕組みは“畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural networks、以下CNN)”と呼ばれるものだ。 CNNではディープラーニングと強化学習を組み合わせ、AIが自ら試行錯誤を重ねることで特定領域のタスクをマスターする。Skymindのツールキットはクラウドとロボットの双方向けに設計されており、鍛え上げたアルゴリズムをロボットに組み込める。Skymindはオープンソースでソフトウェアを開発しており、開発者らは既にドローン等に向けたディープラーニングツールの開発を進めている。 Skymindはまた、日本のソフトバンクとも提携し、倉庫向けロボットやヒューマノイドロボットのペッパーに、人工知能を送り込もうとしている。倉庫向けのフェッチロボットに物体をつかむ操作を学習させる実験では、Skymindのツールを通じた学習により、認識精度を97%まで向上させることが出来たという。 Skymin

4人に1人が「働きながら介護」の時代に

どう止める? 介護離職 働く人のほぼ4人に1人が、今後5年ほどまでの近い将来に介護を担うようになることが分かった。調査会社のインテージリサーチの調査から明らかになったもので、現在家族を介護しながら働く人は5.3%、今後1~2年間に介護を担う可能性がある人を含めると11.1%、今後3~5年間を含めると24.4%だった。介護のために退職する「介護離職」が現在でも問題になっているが、近い将来、さらに深刻化する可能性を示唆している。 8割が「条件さえ整えば仕事を続ける」 調査は、35~59歳の被雇用者(会社員・公務員、正規・非正規)2万人を対象にインターネットで行われた。 現在介護をしている人に支援者を聞いたところ、同居の家族58.3%、公的な介護サービス46.6%、別居の家族30.0%などだった。支援を受けていない人も11.7%いた。このまま仕事と介護を両立させていく自信については、「施設入所を考えている」6.0%、「仕事を辞めることを考えている」4.4%と両立が困難になっている人が1割ほどいた。特に、介護の支援を受けていない人の1割超は「仕事を辞めることを考える」と回答している。 仕事を辞めずに介護が続けられる条件を聞いたところ、8割以上の人が条件さえ整えば続けられると考えていることが分かった。条件として多かったものは順に、「施設などに入所し自宅の介護がなくなる」(48.3%)、「自身の心身のケアをする」(29.0%)、「公的サービスを十分に受ける」(28.3%)、「在宅勤務、フレックスタイム制など柔軟な働き方」(20.0%)など(複数回答)。5人に1人が75歳以上という「超高齢社

89歳の母介護の男性「受け止めるのに3年、開き直るのに5年」認知症への理解を 世界アルツハイマーデー

認知症への理解を深めようと、「国際アルツハイマー病協会」(本部・英国)が平成6(1994)年に制定した「世界アルツハイマーデー」の21日、国内では30カ所が認知症のシンボルカラーであるオレンジ色にライトアップされる。 イメージ 日本では、公益社団法人「認知症の人と家族の会」(同・京都市)が中心となって25年からライトアップを行っており、今年はポートタワー(神戸市)や京都タワー、大阪城などがオレンジ色に灯される。 厚生労働省によると、高齢化の進展に伴い、24年に462万人だった認知症患者は37年には約700万人に増加すると推計されるという。家族の会の鈴木森夫代表理事(65)は「認知症は初期から重度まで幅広く本人の状態もさまざま。まずは認知症のことを知ってもらい、支援の輪を広げたい」と話している。 大阪府豊能町の木寺喜義(きてらきよし)さん(63)は、認知症の症状が出始めて12年になる母のコハルさん(89)を自宅で1人で介護している。 お盆に供える花束を花筒に差し込むことができない、畑に行く軽トラックへの乗り方を忘れた…。コハルさんに認知症の症状が出始めたのは平成17年だったという。 そのうち、靴下を手にはめるなど着替えができなくなり、外出先から戻れなくもなった。生まれ育った自宅なのに「もう家に帰ります」と言い張り、夜中に暴れることも。「こんな日が続くのならば殺した方がましだ」。木寺さんはコハルさんの首を絞めようとしたこともあったと振り返る。 19年の夏からは、下の世話も必要になった。ただこのころ「認知症の人と家族の会」の存在を知り、大阪支部に入会したことで転機が訪れた。 「自分が

レオパレス21、介護業界初のIoTとLoRa技術による「高齢者見守りシステム」の実証実験を開始

株式会社レオパレス21(本社:東京都中野区、代表取締役社長:深山英世、以下「レオパレス21」)は、MTES株式会社(旧:MTエネルギー&ソリューションズ、所在地:東京都中央区、代表者:代表取締役 原田 隆朗、以下「MTES」)と共同で、レオパレス21が運営する介護施設「あずみ苑グランデ草加(埼玉県草加市)」において、利用者の見守りサービスの一環として、介護業界初となるIoTとLoRa(※1)技術による「高齢者見守りシステム」の実証実験を9月25日から開始することを発表した。 ※1:LoRaは、低消費電力、小データ量、広域守備範囲を特徴とする無線方式“LPWA” (Low Power, Wide Area)の一種。最大伝送速度は250 kbps程度、伝送距離は最大10 km程度となる。 これまで、介護施設の利用者の見守りは、利用者に対するサービス向上を優先することで、職員の労働負荷が増大するという、喫緊の課題があった。 MTESは、IoTとLoRa技術による「非接触のバイタルチェックシステムおよび異常認知監視カメラなど(以下、本システム)」を開発して、今回の実証実験に活用する。非接触バイタルチェックデバイスにより、脈、体の動き、呼吸などを身体的負担なしで計測が可能になる。データはLoRa技術によりリアルタイムで計測され、職員の労働負荷低減につながる。 本システムの実証実験概要 1. ベッドへの非接触バイタルチェックデバイス設置による24時間見守り 2. 異常認知時のみに撮影するカメラの稼働 3. ドア、窓へのセンサー設置による入退室状況の見守り 4. 上記、異常時にお知

給食事業者として初!!「吉野家のやさしいごはん」の提供を病院・高齢者施設で開始

病院や高齢者施設で給食事業を展開しているエームサービス株式会社(東京都港区/代表取締役社長 山村 俊夫 以下:エームサービス)は、2017 年 8 月より、株式会社吉野家(東京都中央区/代表取締役社 長河村泰貴 以下:吉野家)が高齢者向けに開発した牛丼の具「吉野家のやさしいごはん」の提供を受託先施 設で開始しました。 牛丼の具は「うまい!やわらか!たべやすい!」をコンセプトに、咀嚼・嚥下機能が低下している方でも弱い力 で噛め、塩分控えめながらもうまさに拘った味となっています。また、丼は吉野家オリジナルの和風柄が描かれ たメラミン製で、手で持ちやすい小ぶりなサイズを使用。 味も丼もお店の雰囲気を感じることができる本商品を提供することで、普段の食事に楽しみを添えるイベントと してご利用者様に喜んでいただいています。エームサービスは、高齢者の方々の気持ちにより添い、“生きていく ちから”を支える「食環境」づくりに努めてまいります。 高齢者向け牛丼の具「吉野家のやさしいごはん」のポイント ・筋がない部位を使用 煮込み時間が長くても歯ごたえが変わらない ・食べやすいサイズ 薄くスライス、長さも短いので弱い力でも噛める ・塩分カット 食塩相当量 100gあたり 1.1g (通常は 100gあたり 1.7g) 株式会社吉野家の概要 本社所在地:〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町 36 番 2 号 Daiwa リバーゲート 18 階 代表者:代表取締役社長 河村泰貴 URL: https://www.yoshinoya.com/index.html 概要:日本国内での牛丼のファストフ

ライフステージに合わせた 「ケアアップベッド」新登場

コイズミファニテック株式会社は在宅用介護ベッドとしては初めてとなる、電動リクライニングベッドと専用の昇降ユニット(別売)から成る「ケアアップベッド」を開発し、このほど全国の家具専門店を通じて販売を開始します。 お元気な間は引き出し付き電動リクライニングベッドとしてお使いいただき[STEP(1)]、立ち上がり時に不便を感じられるようになったらサイドレール(オプション)を設置して自立支援ベッドとして[STEP(2)]、さらに介護時のように第三者の支えが必要になったら専用昇降ユニットを買い足し、取り付けていただくことで[STEP(3)]在宅でのケアベッドとしてご使用いただけます。 左から STEP(1) STEP(2) STEP(3) 「6・3・3で12年、コイズミ学習机」のフレーズで知られるコイズミファニテックは11年前に、児童の年齢やスペースに応じてデスク本体と上棚、本棚とを自在に組み合わせられる学習家具を開発し、それが今日までのスタンダードとして定着。このほど発売する「ケアアップベッド」もご使用いただく方のライフステージに合わせてスタイルが変化できる、「スタイル可変」をコンセプトに開発いたしました。 [高いインテリア性と機能性を持たせた電動リクライニングベッド] 電動リクライニングベッドは天然木(タモ突板材)を使用し、木質感にこだわったWOODYタイプと、低ホルムアルデヒドF☆☆☆☆(Fフォースター)を使用したSMARTタイプの2つのデザインと、ナチュラル色とウォルナット色の2カラー、2つのモーター(背上げ・脚上げ連動タイプの1モーター、背上げ・脚上げ角度が個別調節できる2モー

AIによる「未来予測」製造業から医療まで

「人工知能が持つ可能性のひとつに、未来予測があります。膨大なデータを分析することで、これから先に起こりうる出来事の兆候を発見し、それを人間に知らせることができるのです」 このコメントは以前、日本のとあるAIスタートアップを取材した際に聞かせてもらったものだ。取材では、人工知能の本質や最大のメリットについて話が及んだのだが、そのひとつとして担当者は「未来予測」というキーワードを選んだ。 話を聞いた当初、その意味があまり実感できなかったのだが、その後、AI関連のニュースを見ていくうちに、同担当者の思い描いていたであろうビジョンが、おぼろげながら理解できるようになってきた。 現在、人工知能はさまざまな産業において、「未来」を予測するために利用され始めている。例えば、製造業における「故障予知」などは最たる例だろう。同様に、漁業では「漁場予測」、畜産業では「疫病予測」という用途が想定されており、各企業・学術団体が具体的な開発プロジェクトを進めている。 それらはいずれも、IoT端末(ハードウェア)から収集したデータをAIに学習させ、「より良い未来」を予測しようという試みだ。ドローンを使った「データ農業」の実現を目指すベンチャー企業関係者は、次のように話している。 「これまで、農業では経験豊かな篤農家と呼ばれる人たちが、農産物の生産性を高めることに寄与してきました。その役割が、機械に置き換わると考えてもらえれば分かりやすいかもしれません。ドローンなどのハードウェアが有効なデータを集めて、AIが学習していく。最終的に、篤農家の役割が自動化するのです」 人工知能による未来予測

ロボットが拓く未来の介護

デイサービス施設に介護ロボットのいる風景 デイサービス施設で利用者をお迎えするパルロ 「パルロ、肩の体操やって」 「はい、肩の体操ですね。一緒に頑張りましょう。」 「この体操をすると、肩が楽になりますよ。体操の前に、まずは深呼吸です。」 横浜市の本郷台駅からほど近い場所のデイサービス施設、午前中の風景です。スタジオに集った高齢の方々が、コミュニケーションロボット「パルロ(PALRO)」の指示に従い、一斉に身体を動かし始めます。 この機能訓練特化型デイサービス施設を運営する「アルフィット(ARFIT)」では、1年前の開業当初から富士ソフト株式会社の開発したパルロを積極的に導入し、ロボットインストラクターとして活用しています。 まずスタジオを訪れる要支援・要介護者認定を受けた利用者を、最初に入口でお迎えするのはパルロです。搭載されている顔画像認識機能で、パルロと友達になった利用者にはお名前で声かけ、親しみを込めた挨拶をします。 そして約3時間の機能回復訓練(リハビリプログラム)の最初のパートを担うのもパルロによる体操指導です。「肩ならし体操、腰の体操」など、インストールされている10種類の体操を週や月のプログラムで使い分け、約5分間の体操プログラムを行います。その後、筋トレ等の他の運動や休憩を挟み、パルロが口腔機能の改善を図る「口の体操」を行い、最後に利用者をお見送りすることでパルロのお勤めは終了です。プログラムのポイントをパルロが締める構成になっています。 「マスコット・キャラクターとしてのパルロ効果は絶大です。ケアマネさんからも『ああ、あのロボットのいる施設ね』とあっと言う間に

東京都、混合介護モデル事業の具体案を年内にも提案へ

政府の「国家戦略特区諮問会議」。東京都の小池百合子知事が出席し、保険が適用されるサービスとされないサービスを一体的に提供する「混合介護」について、より良い仕組みを作るためのモデル事業を来年度から展開したいと改めて伝えた。 モデル事業をどんな考え方・手法で進めていくか、今年中にも具体的に提案すると説明。遅れずにスタートできるよう、提案した内容の法令上の解釈を速やかに明示して欲しいと注文した。混合介護をめぐっては、「規制改革推進会議」もルールを分かりやすくすべきと繰り返し求めてきた経緯がある。政府は今年6月、こうした要請に応えるための通知(技術的助言)を出す方針を閣議決定。保険内・外の柔軟な組み合わせをどこまで認めていくのか、今後の判断に注目が集まっている。 介護保険のサービスとそうでないサービスははっきり分けないといけない ーー 。厚労省は現場をそう指導してきた。ただし、細かい決まりは曖昧で地域によって違う。事業者は市町村の姿勢をうかがいつつ、「グレー」の領域に踏み込み過ぎないよう配慮して動いているのが実情で、改善を求める声が多くあがっている。小池都知事もこの日の諮問会議で、「制度が不明瞭なため、保険者も事業者も二の足を踏んでいる」と問題を提起した。 モデル事業は豊島区で実施する。ヘルパーが家族の分の調理や洗濯を一緒に済ませたり、ペットの世話や庭の手入れ、家電のセッティングなどをあわせて行ったりするほか、デイサービスの送迎の際にスーパーに寄ったりすることも想定。利用者の選択肢が広がることに加え、事業者の収入源が増えることや介護職員の処遇が改善されることをメリットと見込

通所介護の事業所数が、初の減少に。

トレンドが変わった。ひとつの時代が終わったことを表しているのかもしれない。前回の介護報酬改定や制度改正が影響したとみられる。 イメージ デイサービスの事業所数が昨年度に初めて前年度を下回ったことが、厚生労働省の「介護給付費等実態調査」の結果で明らかになった。今年3月の時点で全国に4万3399ヵ所。昨年3月の4万3440ヵ所から41ヵ所少なくなっている。小規模な事業所が初めて減少に転じ、その減り幅が大きかったためだ。 小規模な事業所は今年度に入っても減少を続けている。月報をみると4月が2万63ヵ所、直近の5月が2万28ヵ所。デイ全体では4月が4万3328ヵ所、5月はやや増えて4万3340ヵ所となっている。 2000年度に制度がスタートして以来、デイサービスの事業所数は右肩上がりが続いてきた。近年では特に小規模な事業所が著しく増加。全体の費用額は2014年度の時点で1.6兆円を上回っていた。国は大鉈を振るった。2015年度の改革で、小規模な事業所を中心に基本報酬を大幅にカット。要支援1、2を段階的に総合事業へ移していくことも決めた。事業者は経営戦略の見直しを迫られている。現在も給付費をさらに適正化する方策が検討されており、来年度の介護報酬改定も厳しい内容になるとみる人は少なくない。 JOINT

「特養。3割が赤字、過去最悪」老施協が介護報酬アップを要望

全国老人福祉施設協議会(石川憲会長)は8月23日、厚生労働省に2018年度の介護報酬改定と予算要求に対する意見書を提出した。特別養護老人ホームの赤字施設は過去最悪の3割超となり、職員の労働環境改善や新たな設備投資を行うことが難しい状況にあるとして本体報酬の引き上げを求めた。 イメージ 特養の外部からの医療提供については慎重な議論が必要だとした上で、看取りを推進するため看取り介護加算のさらなる充実や配置医師の体制に対する評価などを求めた。 人材関連では介護職員が行う医療行為の拡大とその報酬上の評価を要望した。また職員配置について専任の規定を創設して同じ拠点内であれば他の事業にも従事できるよう検討すべきだとした。 介護職員処遇改善加算については、少なくとも生活相談員や看護職員など直接処遇を行う職員は対象とするよう求めた。 また05年度に食費と居住費の利用者負担化に伴って設定された基準費用額の増額を要望。食費は利用者1人当たり1日平均1442円に設定されているが、特養の食費収入は1375円で差額の67円(定員80人だと年195万円)は事業者が負担し続けているとしている。 日常生活継続支援加算の要件の整備、介護ロボット・ICT(情報通信技術)活用の財政的支援、地域包括拠点としての通所介護の評価なども求めた。 なお、老施協は高品質サービスを言語化するため会員22事業所・利用者57人の事例を調査。ICF(国際生活機能分類)の「活動」「参加」と「心身機能」の関係を調べると、心身の改善は困難でも本人の望む生活に近づけるケアをした結果、「伴走型介護」の成果がみられたという。 福祉新聞

「2025年問題」に向け医療・介護費の抑制…高額療養費・高額介護サービス費の自己負担額引き上げに

今年8月から、70歳以上の高額療養費の自己負担額引き上げ(平成29年・30年の2段階)が実施された。 イメージ 高額療養費制度は、医療費が一定の金額を超えた場合、超過分が払い戻される。今回その上限額の改定が行われた。具体的には、個人外来の場合、所得が370万円以上の人は、月額上限額が1万3200円増えて5万7600円になる。 また、所得156万~370万円の人は2000円増えて上限1万4000円に。住民税非課税世帯は、変わらず8000円のままである。いわば、経済力のある高齢者にはより多く自己負担して貰うということだ。また、高額介護サービス費も8月から利用者負担の上限額が改定された。「同一世帯内で市町村民税が課税されている人がいる世帯」の月額上限額は、3万7200円から4万4400円に引き上げられた。 社会保障給付費は、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、およそ148兆円となる。今より30兆円も膨らむ。政府は、2016~2018年度の社会保障の伸び(自然増)を年5000億円に抑える方針で、2016年には診療報酬をマイナス改定し1700億円捻出した。今年2017年は高額療養費上限見直しで1400億円捻出する意向。さらに、2018年4月には医療、介護の報酬を同時改定し、効率化によってコスト抑制を図る考えだ。 今後、政府・厚労省は、入院から在宅医療に移行を進める方針で、住み慣れた自宅で最期まで暮らせる「地域包括ケアシステム」の構築を目指している。その際、在宅生活を支える柱となるのが、医療と介護の連携である。医療と介護を一体的に提供する「介護医療院」を創設し、療養病床の廃止に向け

年金75歳時代 「高級老人ホーム」から下流介護難民への転落も

政府は年金の受給開始年齢を75歳に引き上げることを検討しているという。もしそれが現実になれば、75歳で年金受給にたどり着いたら、すぐに「終の棲家」たる老人ホーム選びが迫ってくる。 入居年齢で一番多いのは80代前半だが、どれだけの金融資産があるかで、“天国と地獄”の差が付く。 「待機老人50万人」といわれる特別養護老人ホームで「多床型」なら月額8万円台だが、個室の民間有料老人ホームになると一般的に300万円程度の入居一時金がかかる上に、月額20万円以上の負担が生じる。 「これまでは65歳の年金受給時に2500万円くらいを貯めておけばハッピーな最後を迎えられるといわれていました。ホームの入居一時金は年齢が上がるほど安くなる。生活費を切り詰めて貯蓄をできる限り温存し、80代前半で2000万円があれば、入居金1000万円、年金を合わせて月額30万~35万円の介護付き『高級老人ホーム』を選ぶことができました」 部屋はトイレ付きの個室で食事は和食と洋食を選ぶことができ、看護師が常駐といったグレードだ。 75歳受給時代になると景色は一変する。年金がないのだから、“貯蓄をできる限り80代まで温存”という前提が難しくなる。無理をして入居一時金を捻出しても、「高級ホームの月額利用料を年金だけでは賄えない。蓄えが尽き、支払いが滞れば規定により退去させられるケースもある」のだ。かといって80代で貯金はゼロ、毎月の年金収入だけという状況で入れる施設を選んでも、理想の老後とはほど遠いというほかない。 「民間でも入居一時金ゼロ、月額13万円前後のホームはありますが、病院の4人部屋のような居室で、仕切りのカー

介護受給者数は約614万人に、10年連続増 16年度、厚労省調査

2016年度の介護・介護予防サービス受給者は約614万人で、10年連続で増加したことが、厚生労働省の調査で分かった。受給者数は9年連続で過去最多となった。 厚労省が公表した16年度の「介護給付費等実態調査」によると、介護サービスと介護予防サービスの受給者は前年度よりも1.4%増加の613万8100人だった。  介護サービスの受給者は497万5500人(前年度比2.8%増)。このうち、居宅サービスは373万5200人(0.8%増)、居宅介護支援は344万5700人(2.8%増)、施設サービスは125万700人(1.5%増)、地域密着型サービスは111万9300人(約2倍)だった。 イメージ       居宅サービスのうち、受給者数が最も多かったのは福祉用具貸与の223万2200人(4.8%増)。訪問介護も144万500人(1.1%増)で増加した一方、通所介護は153万300人(20.2%減)で減少した。  厚労省の担当者は、「小規模な通所介護事業所の地域密着型サービスへの移行策として、16年度に地域密着型通所介護が創設されたことにより、通所介護の受給者数が減少した」としている。 地域密着型通所介護、受給者は58万人超  施設サービスの受給者は、介護福祉施設サービス(特別養護老人ホーム)が65万6600人(2.6%増)、介護保健施設サービス(介護老人保健施設)が55万2200人(0.8%増)で、それぞれ増えた一方、介護療養施設サービス(介護療養型医療施設)は9万1600人(5.7%減)で減少した。  地域密着型サービスの受給者は、地域密着型通所介護の58万550

人工知能を搭載した介護ソフト「スマイリオ」を発売

国内初、人工知能を搭載した介護ソフト「スマイリオ」新発売 ソフトウェア開発、ITコンサルティングなどのITサービスを展開する株式会社シスラボ(本社:東京都豊島区、代表取締役:佐藤曠弌=こういち=)は、介護事業所で働く職員が作成する通所介護・介護予防通所介護計画書等を、人工知能による辞書機能を用いて、的確かつ迅速に作成する介護ソフト「スマイリオ」を開発、9月より全国の通所介護事業所を対象に販売いたします。 「スマイリオ」は、パソコン画面に表示されるガイドに従って単語を選んでいくだけで、助詞や助動詞、句読点まで備わった、より“自然な”文章が出来上がるのが特長。人工知能による辞書機能を搭載した介護文書作成ソフトは業界初となり、新人や外国人でもベテラン介護士レベルの計画書を作ることが可能となります。 こうして計画書が標準化されることで、これまで介護士間のキャリアの差によって、出来不出来にばらつきがあった介護支援プログラムの内容が、より高いレベルで統一され、施設利用者へのサービス向上、健康増進につながります。同時に、計画書作成にかかる介護士の負担も大幅に軽減されます。 また、作成された計画書に基づき実施された介護サービスの記録機能には、国保連への伝送請求機能が連動しており、システムを一括導入することで、月末の入力処理が不要となり、介護職員の仕事量をさらに減らすことができます。 「スマイリオ」の月額使用料は、計画書等の記録機能と請求機能合わせて4万円(税別)、記録機能のみの場合は2万5,000円(税別)となります。販売対象は、デイサービスを行っている全国約3万5,000施設のうち、3分の1

まさか消費者金融に世話になるとは『ある成年後見人の手記』後編

生まれて初めての体験。消費者金融へ 私の当時の年収は1000万円を超えていた。だが住宅ローン返済、息子の学費といった既定支出があり、家計は想定外の出費にもろい。定期預金を崩し、ボーナス期の谷間、顔をこわばらせて消費者金融へ。 前編は、こちらから イメージ 生まれて初めての体験だった。しかしながら担当者の対応は、銀行や家裁、弁護士よりよほど親切だった。 由利子をほぼ月1回見舞ってきた。単身暮らす大阪府吹田市から有馬の奥の施設までの片道は、地下鉄とJRを乗り継ぎ710円。施設最寄りへのバス便は少なくタクシーに乗り換え2500円。手土産も含め諸経費は1回1万円超。 さらに2カ月にほぼ1度、妻、容子を東京から呼び3人で“デート”。息苦しいであろう施設での生活に、せめて“社交”の機会を与えようと思ったからだった。 09年5月30日が第1回で、東京から妻を呼び寄せ、タクシーでドライブした。 由利子を妻が持参した思い切り若めの服に着替えさせ、定番となったコースは、まず美容院で身づくろいし口紅を引く。有馬温泉の足湯につかり、両脇を支えカフェバーへ。ビールとワインを少しだけたしなませ、近くの和菓子店で土産を選ばせる。 美容院で「どんな具合に?」と尋ねられたから「とにかくお客さん気分を味わわせてください」と頼んだ。 タクシーに乗った由利子は、「六甲はあっちやな。ここ有馬かいな」。道路表示の漢字を読み取る。2時間余りを過ごすと「ありがとう。長生きして良かった」。 以上のような、後見人になるまでの「見舞い」経費は、先に挙げた80万円余りの立替払いから外した。 事実上解任した皆元弁護士からは「お見舞いは