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「地域包括ケア」「専門医療提供」、有床診に二つのモデル

厚労省、「入院医療と介護サービスを組み合わせた運営」を検討

 厚生労働省は11月17日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に対し、主に地域医療を担う有床診療所は「地域包括ケアモデル」、主に専門医療を担う有床診は「専門医療提供モデル」と位置付け、2018年年度診療報酬改定でそれぞれ評価する案を説明、診療側と支払側からともにおおむね了承を得た。前者については、入院医療と介護サービスを組み合わせて運営することを可能とする方針。

 さらに(1)高齢者では入院期間が長期化する傾向にあるものの、2016年度改定で新設された「在宅復帰機能強化加算」の届け出が1割程度にとどまっていることから、要件を見直す、(2)在宅で療養中の患者が、在宅の主治医と有床診との連携の下で、患者本人や家族の希望に基づき、最期を有床診で看取った場合の取り扱いを検討――の2点についても、両側ともおおむね了承した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

有床診の数は、2016年と1999年との比較で約半分以下に減少、病床稼働率は最も高い入院基本料1でも67%にとどまる。有床診が現状で担っている機能を分析すると、「専門医療」(51%)、「緊急時対応」(46%)、「在宅・介護施設への受け渡し」(37%)――など(2015年病床機能報告データによる。7項目のうち、最大5項目を選択可とした場合の回答)。主に専門医療を担う診療科(産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科)と、主に地域医療を担う診療科(内科、外科)、双方の機能を持つ診療科(整形外科)に大別できることから、「病床の稼働率を上げるためにも、病床の特徴を生かした報酬設定や介護への取り組みが必要ではないか」(厚労省保険局医療課長の迫井正深氏)。

 有床診の入院基本料は1から6に分かれる。点数が高い1から3の施設基準は、専門医療、在宅療養中の患者の支援に関するものなど、計10項目のうち、2つ以上を満たすこと。これらの項目の体系の見直しなどが検討される見通し。

 日本医師会常任理事の松本純一氏は、「入院基本料が低く、加算も算定できず、有床診を維持する困難さがあり、病床稼働率も低下している」と経営の厳しさを訴えた。その上で、「地域医療と専門医療、それぞれの特性に応じた報酬が必要」と述べ、特に「地域包括ケアモデル」については、転換をしやすくなるモデルの検討を要望。「在宅復帰機能強化加算」の見直しにも賛成、前述の(2)については、在宅療養支援診療所の施設基準に在宅看取りの実績があることを念頭に、「一定の条件を付けて、最期に有床診で看取った場合にも、在支診の看取り実績に加えてはどうか」と提案した。

 日医副会長の今村聡氏は、地域包括ケアシステムを構築する上で、有床診を評価していく方向性は支持したものの、経営が厳しい中で介護分野に取り組もうとしても難しい現状があるとし、「経営基盤を強化する方向性も併せて検討してもらいたい」と求めた。

 一方、支払側の健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏も、有床診が二極化している現状を踏まえ、「それぞれに適合した評価に変えていくことが必要」とし、「病床稼働率があまり高くなく、空床になっている部分を介護分野に転換していくことは、地域包括ケアの中で有床診が果たす役割として重要ではないか」と述べた。

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