「オンライン診察」、電話等再診と区別して評価

December 11, 2017

「対面、電話とオンラインで点数に差」も議論

 

2017年12月1日中医協総会

 

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は12月1日の会議で遠隔診療(情報通信機器を用いた診療)について議論した。厚生労働省は情報通信機器を用いたオンラインでの診察は、現行の「患者からの求めによる電話等再診」とは目的が異なるために区別して診療報酬を設定することなどを提案し、了承された(資料はホームページ厚労省のホームページ、遠隔診療についての前回の議論は『診療側、遠隔診療は「対面の補完」強調』を参照)。

 

 厚労省の提案と、委員の主な意見は次の通り。

基本的な考え方

  1. 特定された疾患・患者であること

  2. 一定期間継続的に対面診療を行っており、受診間隔が長すぎないこと(※)

  3. 急変時に円滑に対面診療ができる体制があること

  4. 安全性や有効性のエビデンスが確認されていること

  5. 事前に治療計画を作成していること(※)

  6. 医師と患者の両者の合意があること

  7. 上記のような内容を含む一定のルールに沿った診療が行われていること

  8. (※)初診の患者は、当該要件を満たさないため、対象に含まれない。

オンライン診察を組み合わせた医学管理

遠隔診療(情報通信機器を用いた診療)については、前回の中医協総会の議論を踏まえた「基本的な考え方」を要件とした上で、

  • オンラインを用いた診察の実態を踏まえ、オンラインの診察について、現行の電話等再診と区別した報酬を設定してはどうか。

  • 電話等再診については、患家からの療養上の求めに応じて指示をした場合のみに算定できるとの取り扱いを明確化してはどうか。

  • オンライン診察を対面診療に併用する場合の医学管理の取り扱いについて、現行の医学管理料との整合性に配慮しつつ、現行よりは低い水準の報酬での新たな評価を検討してはどうか。

なお、オンラインを用いた診察・医学管理については、診察時間や頻度に様々な提供ケースが想定されることを踏まえ、算定の上限を月1回までとしてはどうか。

処方せん料については、オンラインによる計画的な診療を行う場合についても、処方せん原本の郵送等に係る現行の取り扱いと同様としてはどうか。

 

在宅酸素療法を実施する患者の遠隔モニタリング

在宅酸素療法を実施している患者に対し、医師の対面での診察の間に、在宅療養計画に基づき、患者のバイタルサイン等を遠隔でモニタリングし、必要時、療養生活の相談・支援等を行うことで、症状の重症化を未然に防ぐ取り組みについて、在宅酸素療法指導管理料での評価を検討してはどうか。

診療側

日本医師会常任理事・松本純一氏:オンライン診察と電話等再診を分けて考えることに賛同する。前回の議論を踏まえ、要件が具体的にまとまりつつあると考えている。

日医副会長・今村聡氏:実態を踏まえてガイドラインをきちんと作り、それを前提に保険診療をどうするかという議論が必要だ。現状は実態そのものを把握できていないのではないか。現在オンライン診療を行っているのは、企業がアプリ等を利用してプラットフォームを提供してそれを利用しているということだが、きちんとやっているとは思うが、企業ごとに提供している中身が違っている。海外でも、研修を受けた人が実施するとか、機器の条件が付いているとかルールがしっかりある。ガイドラインに準拠するのが大事だ。

日本病院会副会長・島弘志氏:IoT(Internet of Things)が発達してきている時代なので、機器を使った医療は重要だと思う。まずは対面診療を基本として、電話再診は問診、テレビ画面や画像があれば視診は補完できるが、聴診や触診はできない。内容によって点数を考えるのは当然だと思う。

支払側

全国健康保険協会理事・吉森俊和氏:算定要件が提示されており、不適切な請求等の抑止力として働くと思うので、方向性に賛成する。また、月1回を上限とするという考え方にも賛成だ。かつ、定額化の方向で検討すべきだ。

健康保険組合連合会理事・幸野庄司氏:「基本的な考え方」に、かかりつけ医ということを入れてはいかがか。また、再診料と電話再診料が同一報酬であるところに、オンライン診療が入ってくるとややこしい。電話等再診料を見直す必要あるのではないか。

厚労省保険局医療課長・迫井正深氏:一定期間継続的に対面診療を行っているという内容でとどめてはどうかと考えている。かかりつけ医というとらえ方に、まださまざまな意見があり、報酬で直接定義するのではなく、「一定期間継続的に対面診療」とすれば懸念を一定程度払拭できるのではないか。 具体的な報酬水準は改めてということだが、現行で対面診療と電話等再診は同じ水準になっているが、オンラインと対面診療は少なくとも報酬上は異なると明記している。もし今後整理すれば、電話がオンラインより情報量が多いということにはならないので、必然的に一定程度の差が付くのが現時点での認識だ。

情報通信技術(ICT)を活用した関係機関連携の推進
・対面でのカンファレンスを求めている評価について、各項目で求める内容や地理的条件等を考慮し、対面をICTで補うことにより効率的な会議開催となるよう、ICTを組み合わせる場合の会議の開催回数や対象者等に関する要件を弾力化してはどうか。

 

ICTを利用した死亡診断における医師と看護師の連携
・「ICTを用いた死亡診断等ガイドラインに基づき行われる、ICTを利用した医師の死亡診断について、死亡日に往診・訪問診療を行わないものの、定期的に訪問診療等を行っている在宅の主治医に限り、死亡診断加算を算定できることとしてはどうか。
・ICTを利用した医師の死亡診断において、法医学等に関する一定の研修を受けた看護師が、医師の判断に必要な情報を速やかに報告する等、医師と連携した場合において、訪問看護ターミナルケア療養費の加算として評価することとしてはどうか。
・なお、評価の対象とする地域は、医療資源の少ない地域に限定してはどうか。

診療側

松本純一氏:医療資源の少ない地域に限定するのは賛成するが、限定することで無条件にできるというのはなく、患家にやむを得ない事情で12時間以内に行けないということだけは守ってもらわなければならない。

今村氏:基本的には在宅の主治医が原則のガイドラインになっている。やむを得ず同席できないということが大前提だ。

島氏:医療資源の少ない地域は、具体的にはどのようなところを想定しているのか。

迫井氏:医療資源の乏しい地域に配慮した設定の対象地域がある。ベースはそこにおいて議論していけばいいと考えている。

 

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